投稿日:2025年6月20日
教養教育高度化機構EX部門では、アクティブラーニングの授業デザインの方法や、生成AIの活用などをテーマにワークショップを実施し、東京大学の教員を対象にアクティブラーニングに関する知見を伝えてきました。 今回は、書籍「つくって学ぶアクティブラーニング」の出版を記念して、東京大学の教員に限らず、他大学や小・中・高等学校に所属する教員の皆様、さらには教育関係者の皆様にもご参加いただけるワークショップを開催しました。当日は、学内外の20名の方が参加されました。その様子をご報告します。
アクティブラーニングを実践する際の試行錯誤に焦点を当て、「どのような工夫をしているか」、「どのような困難があり、それにどのように対処しているか」について情報提供として、書籍の執筆者による実践例の紹介に加え、フロアとのディスカッション、参加者自身の授業実践について考えるワークや意見交換を行うことを目的としました。
ワークショップの趣旨説明を行った後、グループでの自己紹介ワークに取り組みました。自己紹介ワークでは「このワークショップで知りたいこと」を一人ひとりが付箋に書き出し、ホワイトボードに貼り出しながら内容を共有しました。
自己紹介ワークの後は、ミニレクチャとして、アクティブラーニングの定義、「つくって学ぶアクティブラーニング」の定義や特徴について、EX部門・中澤から説明しました。
その後、つくって学ぶアクティブラーニングの事例紹介を書籍の執筆者5名により行いました。事例紹介では、「何をつくるのか」、「誰に向けてつくるのか」、「何のためにつくるのか」、「授業の目的」、「授業の内容・流れ」、「工夫」、「困難・対処法」について、執筆者が自分の事例について説明しました。
事例紹介後に休憩を挟み、参加者は事例紹介を聞いた感想・疑問点を付箋に書き出し、グループで共有しました。そして、グループごとに執筆者への質問を投げかけ、執筆者が回答しました。さらにその後、参加者は「自分の授業に活かせそうだと思ったこと」、「自分の授業で行うとしたら難しいと思う点」を付箋に書き出してグループで共有し、「自分の授業で行うとしたら難しいと思う点」への対処法をグループでディスカッションしました。グループでのディスカッションには執筆者である登壇者5名も参加し、対処法をともに考えました。
最後に、ワークショップのまとめを行って終了となりました。
ワークショップ後のアンケート(20名が回答)では、「本ワークショップは、今後の自分の仕事の役に立つと思う」(5. かなり当てはまる〜1. まったく当てはまらないの5件法で回答)は平均値4.80、「本ワークショップで学んだことを自分の仕事で活用できると思う」は平均値4.75であり、高評価でした。また、本ワークショップで新しく知ったことや学んだことを、今後の参加者自身の授業で活用したいという記述や、「こまめに作業ログをとっておき、プロセス内で何がおこなわれていたかを追えるようにしていくということはさっそく実行したい」といった具体的な記述が見られました。一方で、ワークショップで扱う内容の分量や時間が改善点として挙げられました。
駒場アクティブラーニングワークショップは、通常、学内教員のみを対象に開催しています。今回のワークショップのように、学外の方にもご参加いただける機会について、今後検討したいと思います。
教養教育高度化機構 EX部門アクティブラーニングチーム(担当:中澤) dalt[at]kals.c.u-tokyo.ac.jp ※[at]を@に書き換えて送信してください