先日終了しました下記のワークショップにつき、当日の模様を簡略ながらご報告します。
日時:2020年9月19日(土)14時~17時
場所:ZOOM
参加者数:40名
登壇者:
■ 中村長史(東京大学大学院総合文化研究科 特任助教)セッション1・2
■ 山崎茉莉亜(外務省大臣官房総務課 課長補佐)セッション2
■ 北村優成(東京大学法部生)セッション1
■ 八尾佳凛(東京大学教養学部生)セッション1
1.目的
「学習者の学びを促すための模擬国連の授業への効果的導入について
学ぶ」という目的のもと、より具体的には、下記の到達目標を定めました。
①模擬国連の教育手法としての特徴を説明できるようになる
(
セッション1に相当)
②模擬国連の実施の手順を説明できるようになる
(
セッション1に相当)
③模擬国連で学んだことの社会での活用例を説明できるようになる
(
セッション2に相当)
2.概要
【1】趣旨説明(14:00~14:10 )
ワークショップの目的や構成を確認した後、各人の参加動機を改めて言語化していただきました。
【2】 セッション1「模擬国連のできること・できないこと」(14:10~15:20)
模擬国連のオンライン授業への導入について、
東京大学教養学部での試行錯誤(
https://dalt.c.u-tokyo.ac.jp/classes/class-report/mun_semi_2020s_teacher-2/)
を踏まえ、①教員が模擬国連の導入目的を明確化すること、②導入の意義を受講者に伝えること、③目的に照らしてより適切な教育手法がある場合には、模擬国連にこだわらずにそちらを選ぶこと、④オンライン授業であっても工夫次第で一定の臨場感をもって模擬国連の会議を実施できることなどを、授業担当者と受講者からお伝えしました。参加者の方との質疑応答も含め、「どのような学生・生徒に育ってほしいのか」という教育理念がまずあるべきで、模擬国連はあくまでも一手段であることについて考えを深める機会となりました。
セッション1. 授業担当者・受講者の説明
【3】セッション2「社会で役立つ模擬国連」(15:40~16:50)
セッション1で確認した「どのような学生・生徒に育ってほしいのか」という教育理念の重要性を踏まえ、学生時代に模擬国連を経験し、現在は実際の外交に関わっていらっしゃる外務省の山崎課長補佐と授業担当者との対談を行ないました。①会議での外交交渉、②会議以外の外交に関するお仕事、③それらと模擬国連との関係、といった点について、参加者の方との質疑応答もまじえて進めました。
セッション2. 山崎課長補佐と授業担当者の対談
【4】まとめ(16:50~17:00)
まとめでは、本日学んだことや疑問に思ったことと、それを踏まえて翌日以降に各人の現場に持ち帰るものとを確認しました。
3.参加者の感想
参加者の方々からは、以下のような感想が寄せられました。一部抜粋します。
- セッション1とセッション2両方があることで、参加者自身が、「授業としての模擬国連」と「模擬国連から得られる経験・知見の現実的適用」について学ぶことができた。
- どちらのセッションでも、大変丁寧にお話しくださり、また具体的で実践的な内容だった。
- 現役の外務省官僚の方の話を聞けたことは大変貴重でした。属人的な部分が実際の国際会議等で重要な位置を占めるという点が印象的でした。
- 実際に授業を受けている学生の方々のお話も聴けて、導入した場合のイメージが湧きやすかったです。
- 現役の外交官や,模擬国連を授業で実践されている講師の生の話を聞くことのできたことが,将来 模擬国連を自身で企画する際の具体的なイメージの助けとなった。私は,普段「ディベート」的な議論をすることが多いため,今回、妥協点を探し相手にも花を持たせる「模擬国連」的な議論の方法があることを知れたのは良かった。
- 模擬国連サークル、大学ゼミでの模擬国連、それぞれの取り組みの特徴と意義を学ばせてもらい自分の講義での取り組みにいろいろと啓発をされた。
- 模擬国連を導入するきっかけをいただけました。
4.次回予告
次回以降は、①各校での模擬国連導入事例共有、②模擬国連以外のロールプレイやシミュレーションの導入事例共有といったように内容を増やして定期的に開催していきたいと考えております。皆様のご参加をお待ちしております。
お問合せ先
教養教育高度化機構 アクティブラーニング部門(担当:中村長史)
kals[at]
kals.c.u-tokyo.ac.jp
東京大学大学院総合文化研究科・
教養学部附属教養教育高度化機構アクティブラーニング部門では、
標題の講座を以下のとおり開催いたします。
模擬国連
では、一人一人が米国政府代表や中国政府代表などの担当国になりきって国際問題について話し合います。立場を固定されている点ではディベートと同様です。しかし、 相手を論破することで勝利を目指すディベートと異なり、模擬国連では合意形成が目的であるため、多様な利害・価値観に配慮することの重要性を理解するのに適したアクティブラーニングの手法といえます。この模擬国連の授業への導入について、東京大学教養学部での試行錯誤(https://dalt.c.u-tokyo.ac.jp/mun_semi_2019a_teacher/)
を踏まえ、授業担当者・履修者、
そして現役外交官とともに検討する「模擬国連ワークショップ」
を開きます。2020年3月のワークショップ(
http://dalt.c.u-tokyo.ac.jp/mun_ws_2020_03_06_report/)に続き、2回目の開催となりますが、今回
はオンライン授業での経験も踏まえて効果的導入法について意見交
換をできればと考えております。
1.日時
2020年9月19日(土)14時~17時
2.場所
ZOOM (URLはお申し込み者にお伝えします)
3.対象者
大学教職員、高等学校教職員、中学校教職員、学生、
一般の方など
[定員40名]
4.参加費
無料
5.プログラム
【本ワークショップの目的・到達目標】
学習者の学びを促すための模擬国連の授業への効果的導入について
学ぶ
・ 模擬国連の教育手法としての特徴を説明できるようになる
(
セッション1に相当)
・ 模擬国連の実施の手順を説明できるようになる
(
セッション1に相当)
・ 模擬国連で学んだことの社会での活用例を説明できるようになる
(
セッション2に相当)
【本ワークショップのスケジュール】
14:00~14:10 趣旨説明
14:10~15:20 セッション1「模擬国連のできること・できないこと」
15:40~16:50 セッション2「社会で役立つ模擬国連」
16:50~17:00 まとめ
6.登壇者
中村長史(東京大学大学院総合文化研究科 特任助教)
模擬国連を導入した授業の実施者として、その意義や注意点、
工夫のしどころ等についてお話します
山崎茉莉亜(外務省大臣官房総務課 課長補佐)
学生時代に模擬国連を経験し、
現在は実際の外交に関わっている立場からお話します
北村優成(東京大学法学部生)、八尾佳凛(東京大学教養学部生)
模擬国連を導入した授業の受講者の立場からお話します
7.お申し込み
https://forms.gle/gwn8jYKjiTJ6U4ZW8
お問合せ先
教養教育高度化機構 アクティブラーニング部門(担当:中村長史)
kals[at]
kals.c.u-tokyo.ac.jp