駒場アクティブラーニングワークショップ「アクティブラーニングの試行錯誤〜つくって学ぶ授業を事例にして考える」(2025年3月19日)開催報告

カテゴリー: News, イベント

教養教育高度化機構EX部門では、アクティブラーニングの授業デザインの方法や、生成AIの活用などをテーマにワークショップを実施し、東京大学の教員を対象にアクティブラーニングに関する知見を伝えてきました。 今回は、書籍「つくって学ぶアクティブラーニング」の出版を記念して、東京大学の教員に限らず、他大学や小・中・高等学校に所属する教員の皆様、さらには教育関係者の皆様にもご参加いただけるワークショップを開催しました。当日は、学内外の20名の方が参加されました。その様子をご報告します。

目的

アクティブラーニングを実践する際の試行錯誤に焦点を当て、「どのような工夫をしているか」、「どのような困難があり、それにどのように対処しているか」について情報提供として、書籍の執筆者による実践例の紹介に加え、フロアとのディスカッション、参加者自身の授業実践について考えるワークや意見交換を行うことを目的としました。

内容

ワークショップの趣旨説明を行った後、グループでの自己紹介ワークに取り組みました。自己紹介ワークでは「このワークショップで知りたいこと」を一人ひとりが付箋に書き出し、ホワイトボードに貼り出しながら内容を共有しました。

自己紹介ワークの後は、ミニレクチャとして、アクティブラーニングの定義、「つくって学ぶアクティブラーニング」の定義や特徴について、EX部門・中澤から説明しました。

その後、つくって学ぶアクティブラーニングの事例紹介を書籍の執筆者5名により行いました。事例紹介では、「何をつくるのか」、「誰に向けてつくるのか」、「何のためにつくるのか」、「授業の目的」、「授業の内容・流れ」、「工夫」、「困難・対処法」について、執筆者が自分の事例について説明しました。

事例紹介後に休憩を挟み、参加者は事例紹介を聞いた感想・疑問点を付箋に書き出し、グループで共有しました。そして、グループごとに執筆者への質問を投げかけ、執筆者が回答しました。さらにその後、参加者は「自分の授業に活かせそうだと思ったこと」、「自分の授業で行うとしたら難しいと思う点」を付箋に書き出してグループで共有し、「自分の授業で行うとしたら難しいと思う点」への対処法をグループでディスカッションしました。グループでのディスカッションには執筆者である登壇者5名も参加し、対処法をともに考えました。

最後に、ワークショップのまとめを行って終了となりました。

当日の様子と参加者の反応

ワークショップ後のアンケート(20名が回答)では、「本ワークショップは、今後の自分の仕事の役に立つと思う」(5. かなり当てはまる〜1. まったく当てはまらないの5件法で回答)は平均値4.80、「本ワークショップで学んだことを自分の仕事で活用できると思う」は平均値4.75であり、高評価でした。また、本ワークショップで新しく知ったことや学んだことを、今後の参加者自身の授業で活用したいという記述や、「こまめに作業ログをとっておき、プロセス内で何がおこなわれていたかを追えるようにしていくということはさっそく実行したい」といった具体的な記述が見られました。一方で、ワークショップで扱う内容の分量や時間が改善点として挙げられました。

駒場アクティブラーニングワークショップは、通常、学内教員のみを対象に開催しています。今回のワークショップのように、学外の方にもご参加いただける機会について、今後検討したいと思います。

お問い合わせ

教養教育高度化機構 EX部門アクティブラーニングチーム(担当:中澤) dalt[at]kals.c.u-tokyo.ac.jp ※[at]を@に書き換えて送信してください  

ワークショップ 第5回東大生がつくるSDGsの授業(2025年3月23日)開催報告

カテゴリー: News, イベント

2025年3月23日(日)に開催したワークショップ「東大生がつくるSDGsの授業」について、当日の模様を簡略ながらご報告します。

概要

東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構EX部門では、高校生を対象としたSDGsに関するワークショップを2020年度より開催しております。2024年度Aセメスターに東京大学教養学部で全学自由研究ゼミナール/高度教養特殊演習「SDGsを学べる授業をつくろう」を開講しました。本ワークショップでは、この授業において特に優れた授業案を設計した学生が授業を実施しました。2020年度より毎年開催しており、5回目の開催となりました。これまでのワークショップはオンライン(Zoom)での開催でしたが、今回初めて対面での開催となりました。

プログラム

対面での開催であったため、駒場キャンパスの見学を含めたプログラムを実施しました。

13:00-13:30 駒場キャンパスツアー 
13:30-14:00 趣旨説明(中澤明子 東京大学大学院総合文化研究科 特任准教授) 
14:00-14:50 授業「さまざまな立場で考えるSDGs」(中山昊 教養学部1年) 
14:50-15:00 休憩
15:00-15:40 ミニレクチャ(中村長史 東京大学大学院総合文化研究科 特任講師) 
15:40-16:00 まとめ(中村長史) 

授業の内容

授業「さまざまな立場で考えるSDGs」は、高校生に「視野を広げてほしい」、「SDGsを身近に感じてほしい」という想いのもとで設計された授業でした。SDGsのうち目標13, 14, 15について学ぶこと、さまざまな観点でものごとを考えることが授業の目的でした。授業はジグソー法を援用した形で進められました。参加者には目標13の概要と事例(自治体、学校の取り組み)、目標14の概要と事例(自治体、学校の取り組み)、目標15の概要と事例(自治体、学校の取り組み)が書かれた3種類の資料のうち、いずれかが配布されました。

まず参加者は、同じ資料(目標が同じ)を持つ人たちどうしでグループになり、「行政:地域社会に住む人々をどのようにして巻き込むか」、「学校:他の学校でも実現可能か」という問いを意識して資料を読み、資料の内容で書かれていなかったことやわからなかったことをグループで確認しました。また、資料の目標に対して自分の学校や自治体で行われている取り組み・経験を共有しました。

その後、異なる資料(目標が異なる)を持つ人たちどうしでグループになり、自分が読んだ資料の事例を参考にしながら、「地域でできる自然の豊かさを守っていくための取り組み」について議論しました。議論した内容をグループごとに発表してもらった後、授業のまとめを行って終了となりました。

ミニレクチャ

全学自由研究ゼミナール/高度教養特殊演習「SDGsを学べる授業をつくろう」の担当教員の一人である、中村長史特任講師よりSDGsに関する模擬授業がありました。実際の授業でも扱ったSDGsの目標間の関係などについて講義がありました。

授業を行った学生の声

授業を行った学生に、授業を実施した感想を聞きました。

授業を行うのは初めてだったので緊張しましたが、皆熱心にワークに取り組んでくれて、授業を形にすることができたので、ほっとしました。もちろん、授業をコミュニケーションとして進めていくこと表情や様子を見ながら時間を調整して進めていくことの難しさも感じ、反省点もありました。一方で、今回はジグソー法という方法を取り入れて経験についても話してもらったのですが、様々なバックグラウンドの高校生に参加してもらえたので、「さまざまな立場で物事を考えられるようになる」という授業の目的は達成できたように感じます。ワークでは、僕も考えていなかったような素晴らしいアイデアや重要なポイントを考えて発表してくれたので、僕自身も色々と学びを得ることができました。今回の授業での学びを活かしてSDGs等について僕自身も考え続けたいですし、参加してくれた方にはこれからも関心をもってもらえればうれしいです。

お問い合わせ

教養教育高度化機構 EX部門 dalt[at]kals.c.u-tokyo.ac.jp

第5回, 第6回EXセミナー開催(6月6日, 13日)

カテゴリー: News, イベント

教養教育高度化機構EX部門では、6月6日、6月13日に東京大学の教職員・学生を対象としたEXセミナーを開催いたします。

以下のとおりゲスト講師の方にお話しいただきます。
ご都合つく方はぜひご参加いただけますと幸いです。

なお、本セミナーは、全学自由研究ゼミナール/高度教養特殊演習「未来の学びを考える」第8回、第9回授業を学内に限り聴講可能とするものです。質疑応答などにおいては履修生優先となる旨を予めご了承ください。

■第5回EXセミナー(6月6日(金)5限 17:05-18:35)
講師:澁川幸加 氏(中央大学 特任助教)
テーマ:通信制大学の新展開
場所:駒場Iキャンパス17号館 2階 KALS(駒場アクティブラーニングスタジオ)※講師はオンラインでの参加です。
お申込み:https://forms.gle/raZ44Qjsjg2gqqmT6 ※申込みなしでの当日参加も可能ですが人数把握のためお申込みにご協力ください。

■第6回EXセミナー(6月13日(金)5限 17:05-18:35)
講師:河野芳人 氏・栗原弘亜 氏(西武台高等学校・西武台新座中学校 教諭)
テーマ:教育現場でアクティブラーニング型授業の輪を広げていくために
場所:駒場Iキャンパス17号館 2階 KALS(駒場アクティブラーニングスタジオ)※講師はオンラインでの参加です。
お申込み:https://forms.gle/mqpP2mdgqwjWQZPL8 ※申込みなしでの当日参加も可能ですが人数把握のためお申込みにご協力ください。

■主催・お問い合わせ
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構 EX部門
担当:中澤(dalt[at]kals.c.u-tokyo.ac.jp [at]を@に変更してお送りください)

第4回EXセミナー開催(5月30日)

カテゴリー: News, イベント

教養教育高度化機構EX部門では、5月30日に東京大学の教職員・学生を対象としたEXセミナーを開催いたします。

以下のとおり、ゲスト講師の方にお話しいただきます。
ご都合つく方はぜひご参加いただけますと幸いです。

なお、本セミナーは、全学自由研究ゼミナール/高度教養特殊演習「未来の学びを考える」第7回授業を学内に限り聴講可能とするものです。質疑応答などにおいては履修生優先となる旨を予めご了承ください。

■第4回EXセミナー(5月30日(金)5限 17:05-18:35)
講師:森秀樹 氏(昭和女子大学 准教授)
子どもを対象としたものづくりワークショップやプログラミング教育による学びについてゲスト講師にお話していただきます
場所:駒場Iキャンパス17号館 2階 KALS(駒場アクティブラーニングスタジオ)※講師はオンラインでの参加です。
お申込み:https://forms.gle/xByLcWLoVZuLS26n7 ※申込みなしでの当日参加も可能ですが人数把握のためお申込みにご協力ください。

■主催・お問い合わせ
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構 EX部門
担当:中澤(dalt[at]kals.c.u-tokyo.ac.jp [at]を@に変更してお送りください)

第3回EXセミナーの開催(5月9日)

カテゴリー: News, イベント

教養教育高度化機構EX部門では、5月9日に東京大学の教職員・学生を対象としたEXセミナーを開催いたします。

以下のとおり、オープンエデュケーションについて講師の方にお話しいただきます。
ご都合つく方はぜひご参加いただけますと幸いです。

なお、本セミナーは、全学自由研究ゼミナール/高度教養特殊演習「オープン教材をつくろう!」第5回授業を学内に限り聴講可能とするものです。質疑応答などにおいては履修生優先となる旨を予めご了承ください。

■第3回EXセミナー(5月9日(金)2限 10:25-11:55)
講師:重田勝介 氏(北海道大学情報基盤センター 教授)
タイトル:オープンエデュケーション 最新の動向
場所:駒場Iキャンパス17号館 2階 KALS(駒場アクティブラーニングスタジオ)※講師はオンラインでの参加です。
お申込み:https://forms.gle/irvis341FTcDfYwx9 ※申込みなしでの当日参加も可能ですが人数把握のためお申込みにご協力ください。

■主催・お問い合わせ
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構 EX部門
担当:中澤(dalt[at]kals.c.u-tokyo.ac.jp [at]を@に変更してお送りください)