オンラインワークショップ「オンラインでこそアクティブラーニング:1年間のふりかえりと課題解決のヒント」

2021年3月10日、東大で授業を担当されている先生方を対象に、オンラインワークショップ「オンラインでこそアクティブラーニング:1年間のふりかえりと課題解決のヒント」を開催しました。定員を超える方々の申込みがあり、当日は17名の方が参加されました。ここでは、当日の様子を報告します。

目的

本ワークショップは、1年間のご自身の取り組みをふり返り、授業でうまくできたことや課題を思い出して共有し、さらにオンライン授業をアクティブにすることについて検討することを目的としました。また、本ワークショップを通じて、オンライン授業をアクティブにすることについてのヒントを参加者が持ち帰り、2021年度のオンライン授業への不安軽減を目指しました。

内容

趣旨説明の後、参加者はグループ(ブレイクアウトルーム)に分かれて互いに自己紹介を行いました。そして、オンライン授業の課題をグループごとに共有しました。「アクティブラーニング」や「アクティブにすること」についてのミニレクチャを挟んだ後、課題の分類と解決方法についての議論を行い、グループごとに議論の内容を発表しました。最後に、オンライン授業をアクティブにすることについてミニレクチャを行い、ワークショップを終えました。
  1. 開会の挨拶・趣旨説明 14:00-14:10
  2. 自己紹介 14:10-14:25
  3. ワーク(課題の共有と分類)、ミニレクチャ(アクティブにするとは?) 14:25-15:20
  4. 休憩 15:20-15:35
  5. ワーク(課題解決の議論と発表)、ミニレクチャ(課題解決のヒント) 15:35-16:25
  6. 閉会の挨拶 16:25-16:30

当日の様子と参加者の反応

ワークショップでは、どのグループも活発に議論していました。参加者からは、「同じ問題に悩んでいることがわかってほっとした」や「いいアイディアをもらった」といった感想が聞かれました。オンライン授業の運営は孤独になりがちです。本ワークショップでの課題共有や議論がそれを解消する一つの機会になったのであれば幸いです。 ワークショップ後にアンケートを実施しました(参加者17名のうち14名が回答)。「本ワークショップに満足されましたか」という質問に対しては全員の方が「とてもあてはまる」もしくは「ややあてはまる」のいずれかに回答されました(とてもあてはまる/ややあてはまる/あまりあてはまらない/まったくあてはまらないの選択肢から1つ選択)。また、「授業のふり返りに役立った」、「2021年度の授業準備・実施に向けて役立つものだった」、「本ワークショップへの参加を周りの教員に勧めたいか」という質問についても、全員の方が「とてもあてはまる」もしくは「ややあてはまる」のいずれかに回答されました。これらのことから、本ワークショップの目的はある程度達成されたと考えられます。 一方で、「2021年度の授業をアクティブにすることができそうか」、「不安が軽減されたか」という質問に対しては「あまりあてはまらない」という回答がありました。併せて、教員の実践状況にあわせたワークショップ(たとえば初級編や上級編など)や、手法の実践方法や事例といった、より個別テーマを深めるワークショップのご要望もありました。こうした結果を踏まえ、今後は、授業をアクティブにすることに寄与し、授業への不安軽減につながるワークショップを企画していきたいと考えています。 また、運営という観点では、グループワークにおける作業手順や時間の伝達といった点において不備がありました。ワークショップ中に改善できる点は改善しましたが、改めてオンラインでのワークショップ運営の困難さを痛感しました。今後のオンラインワークショップの運営に活かしたいと思います。

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教養教育高度化機構アクティブラーニング部門 dalt[at]kals.c.u-tokyo.ac.jp ※[at]を@に書き換えて送信してください

『東京大学のアクティブラーニング』(東京大学出版会、2021年)刊行

刊行のお知らせ

東京大学教養教育高度化機構アクティブラーニング部門編『東京大学のアクティブラーニング―教室・オンラインでの授業実施と支援』(東京大学出版会、2021年)が3月24日に刊行されます。 東京大学におけるアクティブラーニング型授業の事例(人文・社会科学、自然科学、教育手法開発の各分野から3授業ずつ計9授業)や、アクティブラーニング授業を支える取り組み(ティーチングアシスタント・専門スタッフによる支援、アクティブラーニング教材開発など)を紹介する1冊です。対面授業に加えて、オンライン授業での試行錯誤についても触れています。詳細は、http://www.utp.or.jp/book/b555753.html(東京大学出版会)をご覧ください。

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