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このように、毎回の授業後に大福帳にコメントを記入することで、その日の授業の内容を整理する機会になっていたようです。大福帳を活用する目的の一つに、授業内容の理解と定着が挙げられます。授業内容を整理し、ふり返ることで深い理解に至れる可能性が、ほかの大福帳の実践と同様、今回の運用において示されました。
- 落ち着いて授業を振り返る助けになったかと思います.
- 授業が終わったらそのままのような状態がなく、必ず1回振り返りをする機会があったのはすごく良かった。
- 授業内容を整理することができて良かった。
このように、過去の自分のコメントを確認したり、学習内容を思い出すきっかけとして見る学生がいたようです。どのように学習を辿ってきたのかがわかるのは、自分自身の学びを自覚することになるのでよかったのではと思います。
- 手軽だし今までの自分の感想が一眼で見られるのでよかった。
- 自分が各授業回で何を考えていたかをあとから見られて振り返りには適している。
- 前回(あるいはもっと前)に何を学習したか、簡単に思い出すきっかけになるので、毎回のアンケートとそれに対するフィードバックよりも良いと思った。
- 改めて大福帳を振り返ってみると、懐かしいなと思いつつ、学習の進歩が知ることができて良かったです。
大福帳は、学生と教員との個人どうしのやり取りになるため、授業中に質問できなかった学生が大福帳を使って質問したり、意見を述べることが可能です。また、コメントや質問に対する返事を書くことは、フィードバックを与えることになります。間違った理解をしていると思ったら返事の中で補足説明を行うこともあります。このように学生と教員とのコミュニケーションを行えるのは、やはり大福帳の大きな特徴です。学生もそれを実感していたようです。
- 全体の授業内で発言するのがあまり得意でなく、大福帳で先生とやりとりができたのはとても良かったです。
- メリットとしては、毎回フィードバックをもらえる
大福帳を運用した授業では、授業の後半はグループでの議論や作業が中心になります。そのため、「新しく知ったこと」という質問に戸惑う学生が多くいたようです。もちろん、作業をする中で何かを新しく知ることもあると思いますが、そうでない場合が多かったということになります。 どのような設問にするかは要検討です。
- 教材作りに入ってからは新しく何かを学ぶというより作業が中心で大福帳に書く内容が少し困った。
- 作業のパートなどで特に新しいことが起こらないときは書くことに困った。
提出の際にGoogle Drivemのファイルを探す手間や、スプレッドシートに慣れていないといった点が操作性の課題として挙げられました。一方で下記のような記述もありました。
- ファイルを毎回提出するのは若干手間に感じた。
- 単純にスプレッドシートへの入力がしにくかったというのはありました
マイドライブから提出することに慣れると、スマホからも提出できたので便利だった。ファイルの選択といった操作に慣れると、記入や提出が容易になるようです。
もう少し猶予があると夜型の人間としては嬉しい。この授業では、授業が水曜、大福帳の提出締切を金曜にしていました。この期間が短いという指摘です。これについては、締切まで時間があれば良い/悪いという問題でもないように思えます。教員としては授業の内容を忘れぬうちに、なるべく早くふり返りをして欲しいという想いもあります。難しいところです。
配布したエクセルファイルをGoogleスプレッドシートで編集してもよいし、ファイルをダウンロードしてパソコンで記入してからファイルをアップロードして提出でもOKと学生に教示して、学生自身のやりやすい方法で記入・提出してもらうことにしました。この方法についても、学生に意見を聞いてみたいと思います。