教養教育高度化機構EX部門では、東大で授業を担当されている先生方を対象に駒場アクティブラーニングワークショップ「アクティブラーニングで生成AIを活用する」を開催しました。当日は、14名の方が参加されました。その様子をご報告します。
目的
東京大学では「
AIツールの授業における利用について」が公表されており、授業における生成AI利用の注意点がまとめられています。生成AIの授業での利活用は、こうした方針を踏まえながら行うことが求められます。
そこで、今回の「駒場アクティブラーニングワークショップ」では「生成AI」を取り上げ、学習を深める生成AIの活用を検討することを目的としました。
内容
ワークショップの趣旨説明や参加者どうしの自己紹介を行った後、生成AIの概要(定義、生成AIサービスの特徴)と文部科学省や東京大学での対応方針のミニレクチャーを行いました。また参加者が実際に生成AIを操作するワークに取り組み、生成AIサービスごとの特徴を把握したり、得られた回答例の共有を行いました。
次に、一般的な授業デザインの方法のミニレクチャーを踏まえて、参加者が自身の授業について学習目標・評価方法・学習内容を検討しました。休憩を挟んだ後、アクティブラーニングでの効果的な生成AI活用のポイントと、生成AI活用事例のミニレクチャーを行いました。活用事例では、4つの活用方法が紹介されました。
その後、それまでのレクチャー内容を踏まえて、先ほど考えた自身の授業をアクティブにする方法と生成AIの活用を参加者が検討しました。また検討した内容をグループで共有し、互いにコメントし合いました。
最後に、ワークショップのふり返りとして、ワークショップを通じて新しく知ったことを書き出して共有してワークショップを終えました。
当日の様子と参加者の反応
ワークショップ後のアンケートでは、「本ワークショップで学んだことを自分の授業準備・実施で活用できると思う」という質問に対して、まったく当てはまらない〜かなり当てはまるの5件法で尋ねたところ、14名中10名がかなり当てはまる、4名がまあまあ当てはまると回答しました。またどのように活用しようと考えているかについては、「授業で時間がなくて説明できないことを調べさせ小レポートの提出機会を設け、リテラシーと深い理解の両方を高める」、「ディスカッションのポイントを生成A Iを使って出してみるなど、学生が授業テーマについて深めく考えるためのツールとして使いたいと思います」といった具体的な内容が書かれていました。
一方、「本ワークショップによって、今後の授業への不安が軽減された」については、かなり当てはまる3名、まあまあ当てはまる9名、どちらとも言えない2名の回答でした。アクティブラーニングや生成AIの活用に関する不安はすべて解消されたわけではないと思いますし、今後もワークショップの開催やウェブサイトなどを通じて、アクティブラーニング、生成AIの活用について先生方に有用な情報を提供していければと思います。
お問い合わせ
教養教育高度化機構 EX部門アクティブラーニングチーム(担当:中澤・中村)
dalt[at]kals.c.u-tokyo.ac.jp
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