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指揮者・木許裕介(東京大学四年)の呼びかけによって結成されたチェロ・アンサンブル。東京大学の学生を中心に、東京外国語大学、上智大学、慶應大学、玉川大学、武蔵野音楽大学など、様々な大学オーケストラでトップ奏者を務めた若手チェリストで構成されている。2011年、ヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ一番」の演奏に際して日本ヴィラ=ロボス協会から後援を、2012年には同じくヴィラ=ロボスの演奏に際してブラジル大使館からの後援を得る。2012年の公演は全席満席と好評を博した。コンサートの開催にあたっては、ハンガリーとモスクワで活躍する同世代のアーティストたちからメッセージを頂きました。
- 北畠奈緒(フルート、慶應義塾大学二年)
9歳よりフルートを始める。第63回全日本学生音楽コンクール・大阪大会高校生の部第2位、全国大会1位、併せて日本放送協会賞、音楽奨励賞受賞。第14回びわ湖国際フルートコンクールアドヴァンス部門入選。第23回宝塚ベガ音楽コンクール入選、併せて宝塚演奏家連盟賞受賞。東京国際芸術協会の新人オーディションにて審査員特別賞を受賞し第52回東京芸術協会新人演奏会に出演。これまでに篠崎美千代、大塚ゆき、長山慶子、神田寛明、加藤元章の各氏に師事。エマニュエル パユ氏公開マスタークラス受講。フルートカルテットEnsemble Demiメンバー。現在慶應義塾大学在学中。
- 殿村和也(ファゴット、昭和音楽大学卒)
1987年千葉県生まれ。千葉県立千葉南高等学校吹奏楽部でファゴットを始める。これまでに、ファゴットを太田茂、霧生吉秀の各氏に、室内楽を太田茂、宮村和宏の各氏に師事。2012年3月に昭和音楽大学を卒業。在学中に、カール・オットー・ハルトマン、ロラン・ルフェーブルのマスタークラスを受講する。ドルチェ楽器デビューコンサート出演。首都圏を中心に幅広く演奏活動をしている。洗足学園音楽大学準演奏補助員。とのリード製作者。指揮
- 木許裕介 東京大学教養学部四年
東京大学教養学部地域文化研究学科フランス分科四年。村方千之氏に指揮法を師事し、ドミナント室内管弦楽団、アンサンブル・コモド、ヒルズ・オーケストラ、クロワゼ・サロン・オーケストラなど様々なオーケストラで指揮者を務める。2012年は東京交響楽団元コンサート・マスター高木和弘氏がコンサートマスターを務めるプロ・オーケストラにてブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」を指揮、またドミナント室内管弦楽団とオール・ベートーヴェン・プログラム(ピアノ協奏曲第四番など、ピアノ:小林真央/リスト音楽院)によるコンサートを開催。アンサンブル・コモドの東北ボランティア公演でもクラシック&ポップスステージを指揮。過去にはプロコフィエフ「古典交響曲」、ストラヴィンスキー「プルチネルラ」組曲、ヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ一番」など、古典から現代まで幅広いプログラムに取り組んでいる。吹奏楽指導や青少年のための音楽教室の指揮でも精力的に活動。MMランチ・コンサートを提案し、主催者代表。2013年度はアンサンブル・コモドの東京チャリティーコンサートでホルスト『惑星』などを、Strudel Hornistenにてムソルグスキー『展覧会の絵』を指揮することが決定している。
小林真央さん(ピアニスト/リスト音楽院)からのメッセージ 木許さんとは、今年の6月にベートーヴェンのピアノ協奏曲を共演させていただきました。こちらのやりたい事を上手にくみ取って下さり、本番ではとても自由 に気持ち良く演奏することが出来ました。常に向上心を忘れず、心から音楽と向き合っていらっしゃる素敵な指揮者様です。また機会があったら、是非もう一度 一緒に演奏したいと思っております。 砂原伽音さん(バレリーナ/ロシア国立モスクワ舞踊大学)からのメッセージ 本日は駒場祭特別コンサートのご開催、おめでとうございます。木許さんの奏でるブラジル風バッハには、思わず振付してしまったほどに惚れてしまいました。 聴く度に体温が上がってきて、自然と涙が出てきます。木許さんをはじめ、奏者の方達が持つ魅力を、できるだけ多くの方に感じて頂けたらと思います。[レポート] 最初に演奏された平井丈一郎「チェロ・アンサンブルのための頌歌」では、混沌とした中から立ち上がってくる中間部の美しいメロディが会場を満たしたとき、来場者の方々が天を仰いで聞いていらっしゃったのが印象的でした。九人のチェリストたちの音が絡み合いながら最後は駆け抜けていく若々しい音楽で、コンサートのはじまりとして相応しい一曲だったように思います。 指揮の木許裕介による楽曲紹介と「なぜMMホールでコンサートをするか」という趣旨説明が行われたのち、フルートの北畠さんとファゴットの殿村さんによる「ブラジル風バッハ第六番」が演奏されました。神秘的で即興的な、はじめて聞く音の響きに、これが「ブラジル」なのかと不思議な気持ちになるとともに、ファゴットの甘い音色とフルートの伸びやかな歌に心奪われました。 短い休憩をはさみ、いよいよこの演奏会のメインであるヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ一番」です。指揮の木許さんの背中からは何か特別なエネルギーのようなものが立ち上ったのが見え、チェリストの皆さんも一際集中した表情になっていました。棒を一閃させた瞬間に響いて来たのは、温かく、力強く、それでいて荒々しいリズム!そしてその中から忘れ難いほど格好良いメロディが湧き上がってきました。二楽章の切なすぎるメロディも、即興的に伸び縮みして大らかに歌われ、最後の音では会場全体が吸い込まれたような静寂に包まれていたように思います。第三楽章はヴィラ=ロボスの天才というほかなく、なぜこの旋律が絡み合うのだろうと呆然とするほどのフーガで、高みへと登り詰めていく様子をまたもう一度聞きたいと思わされました。 アンコールに演奏された、指揮の木許さんが「特別な曲」と話された「ブラジル風バッハ四番 前奏曲」は、言葉にすることができません。一つ一つの音がすすり泣き、重なり、高まり…そこにあらゆる感情が宿された素晴らしい演奏でした。秋の駒場、満席のMMホールはじめての「伝説」と言っても良いような、感動的な時間が訪れました。ある方のご感想を紹介させて頂きます。 「オードブルみたいにいろんな要素が盛り込まれてるけど、ボリューム的にはメインディッシュで、豪華なコンサートでした。チェロ・アンサンブルのための頌歌』以前コンサートで木許さんが曲を振ったときの、あの若いきらきらした音にまた会えた気がしました。チェロってあんなに鳴る楽器なんだなぁ…びっくりした。アンコール『四番』言葉にしたらきっと逃げちゃうから、これだけはあんまり文字に起こさないでおきます。暖かくて、重なった音が柔らかくて、全部包まれてしまった。暖かかったのは曲の力だけじゃなくて、チェリストさん達や木許さんの心がこもっていたからか…涙が止まらなかった。」 [youtube]http://www.youtube.com/watch?v=-1hV6_eDC5w[/youtube]