MMランチコンサート 2013年度Vol.1「チェロ&バンドネオン:初期バロックとピアソラのコラボレーション」

カテゴリー: KOMCEE建設

<MMランチ・コンサート2013年度Vol.1「チェロ&バンドネオン: 初期バロックとピアソラのコラボレーション」>

2013年5月30日(金) 12:20-12:50 場所21KOMCEE 地下1階 MMホール 入場無料、予約不要
MMランチコンサート2013.Vol.1-3
MMランチコンサート2013.Vol.1-3

演奏

  • 前田和宏 東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士一年(チェロ)
 1989年、東京都生まれ。8歳よりチェロをはじめる。13歳より佐藤道子氏に師事。2007年には、母校栄光学園の栄光フィル定期演奏会にてハイドンのチェロ協奏曲第一番を独奏。2008年東京大学に入学し、東京大学室内楽の会に所属。2010年よりズブロッカチェロアンサンブルに参加。また2011年度・ 2012年度駒場祭においては、コマバ・メモリアル・チェロオーケストラに参加し、1stチェロをつとめるなど、大学内外で精力的に演奏活動を行っている。
  • 中井智也 東京大学大学院総合文化研究科博士一年(バンドネオン)
 1987年、東京都生まれ。2006年東京大学入学。現在、総合文化研究科博士課程在学中。専門は数学の認知神経科学。12歳よりチェロを、19歳よりバンドネオンをはじめる。これまでにバンドネオンを小川紀美代、生水敬一朗、仁詩の各氏に師事。アルゼンチンタンゴに限らず、ロック、ジャズ、フラメンコ、シャンソン、クラシックなど、様々なジャンルの演奏家と共演している。Tango Esperanza、Quarteto Divertissimoに所属。主に都内のバーやライヴハウスなどで演奏活動を行っている。

司会

  • 木許裕介  東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(比較文学・比較文化コース)修士一年
 1987年、大阪府生まれ。教養学部地域文化研究学科フランス分科を経て、現在は総合文化研究科修士課程に在学中。専門は19世紀後半から20世紀初頭のフランスを対象とした「光」の文化史・比較芸術。村方千之氏に指揮法を師事し、ドミナント室内管弦楽団やEnsemble Commodo、Strudel Hornisten、コマバ・メモリアル・チェロオーケストラ、UUUオーケストラなど、様々なオーケストラ・吹奏楽団で指揮者を務める。2013,2014年度は国内各地での演奏会に加え、フィリピンでプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第三番」やムソルグスキー/ラヴェル「展覧会の絵」組曲などを指揮する事が決定している。中高生の吹奏楽指導や青少年のための音楽教室の指揮などでも精力的に活動。MMランチ・コンサートを提案し、主催者代表。
 
MMランチコンサート2013.Vol.1
MMランチコンサート2013.Vol.1

東京大学(駒場キャンパス)で昨年から新しくはじまった、「MMランチ・コンサート」の2013年度第1回が盛会のうちに終了しました。MMランチ・コンサートとは、ランチタイムに21KOMCEEという新しく駒場に出来た建物のホールを使って小編成のアンサンブルを連続企画していくものです。学生たちがサークル単位の壁を越えて音楽発表をする場になれば、そしてまた、ヨーロッパの広場のように、学生から先生方、一般の方々まで、様々な人たちが昼休みにふらりと立ち寄ってコーヒー片手に生演奏に接することのできる場になればと願っています。

 

2013年度第1回は修士1年の前田さんのチェロと、博士1年の中井さんのバンドネオンのデュオで、初期バロック音楽とピアソラを組み合わせて演奏する、という珍しいプログラミングで幕を開けました。ピアソラのCafé1930やガブリエッリのチェロ・ソナタをランチタイムに気軽に聴くことが出来る、というのはとても贅沢な時間だったように思います。高い天井に豊かに反響するチェロの豊かで甘い音に、そしてバンドネオンのはじけては歌う多彩な音色に、昼食に手を伸ばすことも忘れて聞き入るご様子の方々が沢山いらっしゃいました。

MMランチコンサート2013.Vol.1-2
MMランチコンサート2013.Vol.1-2

今回のプログラムはこちら。

1.Aria detta La Frescobalda (G. Frescobaldi)

2.Oblivion (A. Piazzolla)

3.Melancholy Galliard (J. Dowland)

4.Sonata for Violoncello in G (D. Gabrielli)

5.Café 1930 (A. Piazzolla)

6.Libertango (A. Piazzolla)

 

ありそうでなかなか目にする機会の少なかったこのペア、一度耳にすると分かるのですが、実に絶妙なコンビです。はじめはゆっくりと、甘い旋律の曲が続き、プログラムの終わりに向かって徐々に、エネルギーが増していきました。ピアソラのバンドネオンをチェロ伴奏で、初期のチェロ・ソナタをバンドネオン伴奏で、しかも駒場に居ながらにして聴けるというのは、本当に幸せな時間でした。甘美もよし、情熱もよし。期待を裏切らずにピアソラのリベルタンゴを持ってきてくださったのも嬉しかったですね。次のジョイント・リサイタルはいつなのでしょう?(笑)

 

21KOMCEE MMホールを活用した例はまだまだ少なく、もの珍しい様子に引きつけられてガラス越しにうかがう学生たちの姿が、多く見られました。上の階から立ち止まって見ている方もいらっしゃいました。お客さんと奏者の距離が近い、というのがMMランチ・コンサートの大きな魅力です。できるものなら一人でも多くの学生に、そのガラス1枚分「こっち側」の世界に来てほしいですね。駒場でだからこそできる、駒場だからこそ広げられる音楽の輪の可能性を感じずにはいられないひと時でした。

(文責:細川雅史/東京大学文学部四年)

 
MMランチ・コンサート2013 vol1-4
MMランチ・コンサート2013 vol1-4
  MMランチ・コンサートは2013年度も演奏者を公募しながら継続して参ります。ぜひともこの空間で演奏してみたい、という方がいらっしゃいましたら、演奏代表者の氏名(ただし代表者は東京大学/大学院在学者に限る)と構成メンバーの氏名、所属、プロフィール、演奏希望日、演奏希望曲を明記の上、代表の木許 y.kimoto [at]ut-dominant.orgまでご連絡下さい。(atを@マークにご変換下さい)簡単な面談の上、演奏に向けて企画させて頂きます。ただし時間と空間、コンセプトの都合上、あまり大編成の曲や長大な曲、金管楽器やアンプが必要な編成は演奏不可とさせて頂くことが御座いますので、その点はご容赦下さい。