中央アジア散歩

駒場祭で展示を行いました。

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みなさまお久しぶりです。 前の投稿がヒヴァの旅行記で、そこで投稿が途絶えたため14日から合流した後発組には 僕たちの安否を心配させてしまったようですが、ヒヴァを出たあとネット環境が無かったのです(笑) さて、僕を含め2年生は旅行のあと進振りという学生生活上の大きな局面を乗り越えまして 色々な学部へ進学が内定しました。 そうなるとなかなか前期教養課程の授業でゼミ生全てが顔を合わせることもなくなり それに伴ってこのブログの更新も滞っておりました。 さて,先日11月25日~11月27日に駒場キャンパスにおいて駒場祭が開催されました。 僕達全学自由研究ゼミナール「中央アジア散歩」(通称”UZゼミ”)もウズベキスタンを紹介する展示を行いました。 タイトルは「中央アジアは友達…怖くない!!」です。 少々ふざけたタイトルでお叱りをうけそうですが…笑 やはり日本ではウズベキスタンという国はなじみが薄いだろうと言うことで 今回はウズベキスタンの歴史や文化などについて、とても深く説明とすることはせず 写真にポップで説明をするという展示を主として、まずは眺めてウズベキスタンという国を 知って頂き、興味を持ってもらった後に説明員としてその場にいるゼミ生が説明するという形を取りました。 また、今回駐日ウズベキスタン大使館のご協力により、現地の工芸品やスザニ、アトラス模様の布、そして民族衣装 をお借りして、展示しました。 (民族衣装については説明員とわかりやすいようにゼミ生が着用しました。) 最終日にはウズベキスタンテレビの取材カメラが来場し、 僕たちの指導教員である岡田先生をはじめ、ゼミ生の何人かがインタビューに答えました。 この様子はウズベキスタン国内で放送される予定です。 もしウズベキスタンからこのブログをご覧の方がいらっしゃいましたら是非ご覧下さい!! 感想ノートを用意しておりましたが、展示が終わってみると 「ウズベキスタンという国は全く知らなかったが、行ってみたくなった!」というご感想がとても多く 我々としては展示の目的を達成できたかな、という気持ちでおります。 (文・写真:理科二類二年 間下)

ウズベキスタンの食文化(後編)

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後編になります。 「ナン」「チャイ」 続いて、「ナン」です。 (左:ウズベキスタンのナン 右:インド料理で有名なナン)           「ナンなら知ってるよ〜」という方も多いのではないでしょうか。インド料理で食べたことあるから知っているという方、ウズベキスタンのナンは都内インドカレー店で出てくるお馴染みの「ナン」とは少し異なります。丸く焼かれたものが多く、乾燥地域のため、保存食としても用いられています。湿気の多い日本で放置していたらすぐにカビてしまいますね。少し蛇足になりますが、ウズベキスタンは乾燥した気候を生かして、ナン他、ドライフルーツなどの保存食が親しまれています。メロンのドライフルーツなどが有名なようで、実際授で食べてみましたが、噛んでいるとじわじわとメロンの味がしみ出てきます。ナンに戻ります。外観の特徴としてウズベキスタン東部は分厚く見た目も綺麗なナンが多いのですが、西に行くに連れて、薄く平になっていきます。サマルカンド地方のナンがおいしいと言われています。プロフと同じく、地方ごとの違いが楽しめる料理ですね。 最後に「チャイ」です。                   日本のインド料理ブームによって、「チャイ」についても相当有名になっているのではないでしょうか。チャイ=お茶 という認識で大丈夫です。油っぽい料理が多いウズベキスタン料理ですが、そんな食事に必ずといって言いほどついてくるのがこの「チャイ」です。急須にお茶碗という日本らしい食器が一般的です。食事の際にはブラック(紅茶に近い)かグリーン(緑茶に近い)から選べる事が多い。インド料理などで出てくるチャイのようにミルクが入ったというものではなく、   福井の食文化についての報告は以上になります。 文献が非常に少なく(学術論文についてはさらなりですが)、現地でのリサーリが大変楽しみです。 以下、所感です。 ほとんどの日本人が「ウズベキスタン?どこそれ?」というのが現状だと思います。実際自分自身もこの授業を取る以前はあまり中央アジアに対する知識はありませんでした。授業では食文化を中心に(間下君と二人だけで…)調べてきましたが、印象としては、思っていた以上に日本に近い部分を持つ国だということです。きっと中国に近いと言った方が適切なのでしょうが。うどん(ラグマン)にチャーハン(プロフ)、緑茶(チャイ)に串焼き(シャシリク)など、日本人に馴染みやすい料理が多いようです。けれども、経済的、人的交流は非常に乏しい。比較的近い場所にあるトルコに行ってきたという人は多いですが、ウズベキスタンに行ってきたという人はあまり見かけません。ウズベキスタンはウランや石油など資源が豊富です。話によると、ウズベキスタンには中国、韓国の人が非常に多いようです。けれども日本人は非常に少ない。アフリカなどの資源のある国でも同じような現象が起きてるのは、有名ですね。単純に同様な状態であると決める事はできないでしょうが、ウズベキスタンと日本の関係を見る事は「日本の外交」を再考する一つのアプローチに成り得るのではないでしょうか。今回の研修では、ウズベキスタンと日本の関係強化についてまず考え、そこから更に一般化できる何かを考えることができたら有意義なものになるのではないかと考えています。余談になりますが、ここ一週間ほど沖縄に旅行に行っていました。勿論、同じ日本人なのですが、気質も、食文化も東京と大きなギャップを感じました。特に食に関しては、山羊、イルカ肉、豚足、海蛇、油みそなど、食べ慣れないものに多く出会いました(イルカを除いて非常に美味しかったです)。ウズベキスタンは陸続きなので、日本ほど地方ごとの差異があるとは思えませんが、上でも書いたように、こうした同国内での食文化(にとどまらずできれば様々な文化)の差異には是非とも注目していきたいと思っています。 文責 文科二類二年 福井康介

ウズベキスタンの食文化(前編)

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どうも、遅ればせながら食文化担当の福井です。 ウズベキスタンで有名な料理をピックアップして紹介したいと思います。 「プロフ」「ラグマン」 まずは「プロフ」について書きたいと思います。 (左:プロフ 右:カザンで炒められているプロフ) 「プロフ」は、お祝いの席などで出る米料理で「カザン」と呼ばれる特殊な鍋で作られます。「カザン」は家庭用の小さなものから、数百人用の大きなものまで様々な大きさのものがあります。「プロフ」で米料理っていえば、みなさんご存知、あの料理名に似てるなと思った方もいるのではないでしょうか。そう、「ピラフ」です。プロフもピラフも似たような料理で、トルコではピラフ、ウズベキスタンではプロフ、ウイグル地方ではポロなどと呼ばれるようです。調理方法としては、カザンにたっぷり綿花油を入れ、お米、羊肉、にんじん、たまねぎなどをじっくり炒めるという非常にシンプルなものです。地方によって、赤いにんじんを使う地域や、黄色のにんじんを使う地域、またその両方を使う地域などがあり、同じ料理であってもその見た目は微妙に異なります。地域による見た目の違いには、盛りつけ方も影響しています。具と米をチャーハンのように混ぜてしまう地方や、米の上に炒めた野菜を盛りつける地方など、プロフを食べているだけでもその地域地域の変化を楽しめるのではないかと思います。街中でプロフを食べる場合の注意点として、なるべくその日の早い時間帯に食べるということがあります。先ほど書いたように、プロフはたっぷり鍋に油を注いで作ります。ということは、午後になると、下の方にある油に浸かったようなプロフを食べることになり、日本食を食べ慣れている日本人には少々辛いものがあるようです。 続いては、ウズベキスタンに行った日本人に大人気の「ラグマン」です。 (左:ラグマン 右:日本の肉うどん)                   先に書いた「プロフ」と違い、「ラグマン」とだけ聞くと、何のことやらさっぱり分からない方も多いのではないでしょうか。ラグマン(ラグメンと呼ばれることも)は、日本の肉うどんによく似た麺料理で、讃岐うどんのようなコシのある麺が特徴です。ここでも肉としては、羊肉が主に用いられます。見た目も味も日本人が抵抗を受けない仕上がりになっているのが人気の要因ではないしょうか。内地に行くと、どんぶりのようなお椀で汁に浸ったラグマンもあるため、さらに肉うどんに似た様相を呈してきます。詳しい調理方法や材料については、このブログの初期に書いた記事を参考にしていただければと思います。 文科二類二年 福井康介

ウズベキスタンの経済体制に関する小考

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前回まではブックレポートや、ウズベキスタンでの日本紹介の為のFWについて書いた。しかし私のブログ記事ではまだウズベキスタン自体について記していなかった。そこで今回はウズベキスタンの経済について記して見ようと思う。 ウズベキスタンの基本情報を述べると、人口は2600万人でCIS諸国の中で最大の人口を誇っている。産業としては、特にソ連時代から綿花産業に代表される軽工業が盛んである。 ソ連崩壊後、多くの国が急進的な経済改革を行ったことで多くの国で混乱が生じた中、ウズベキスタンのカリモフ大統領は共産主義体制から資本主義体制への「漸進主義」を掲げ、他のCIS諸国とは異なる独自路線を歩んできた。この政策の中では、共産主義体制から資本主義体制への緩やかな移行が図られた。例えば、他のCIS諸国が経済的に混乱する中、ウズベキスタンは比較的堅調な経済を維持していた。例えば、ソ連崩壊後のGDP堅調は比較的堅調であったし、CIS諸国の中で大きな影響を及ぼしているルーブルの暴落(ルーブル危機)が起きた時にも、ウズベキスタンへの影響は限定的であった。 また当局による経済介入は貿易の抑制につながったため、国内産業の保護が実現した。具体的には、ウズベキスタンにおいて農業は貿易抑制による恩恵を受けた。 しかしこうした状況にも近年、問題が起きていることも事実である。ウズベキスタンとる漸進主義が、ある種の限界を示しているということだろう。では一体、どのような点で漸進主義の限界が現れているのだろうか? その一例として挙げられるのが、国と企業の関係である。政府は漸進的に資本主義的な市場へ移行する方策として、企業の管理システムの変更や、所有法に代表されるような、 政府は資本主義的な市場へ移行する方策として、管理システムの変更、「所有法」に代表される私有化促進の法体系、価格自由化などの改革を行った。 しかしながら実際は、様々なところで資本主義市場に移行したとは言えない側面がある。例えば、不当な価格付けを防ぐとの名目で政府が市場介入を行ったり、政府が規制を働かせる事によって事実上貿易を制限したりしている。また、株式会社化が未完了であるなど、まだまだかなりの、国による統制が存在していると言える。 また漸進主義の弊害は、金融部門においても存在している。ウズベキスタンでは長期に渡って、公式レートと非公式レート(所謂闇レート)が存在していた。国営企業の中には、2つのレートの価格差を利用して利潤を得ていた企業も多かったため、輸出状況が改善しないなど多数の問題が発生していた。 現在ではこうした2つのレートは統一され、IMF8条国にもなった。しかしながら現在でも非公式な為替レートが存在しているとの情報もある。こうした背景には、ウズベキスタンの通貨であるスムが安定していないという要因がある。 金融部門における他の問題点としては、銀行制度が未整備で、多くがまだ国有銀行であることも挙げられる。こうした背景には、まだまだ制度改変が進んでいないということに加えて、銀行制度を整備していくような人材が不足していることも挙げられている。こうした点に関しては、今後日本のJICAなどが積極的に支援してことのできる分野であると言える。 以上のように、政府と企業の関係、金融の2つの側面を見ただけでも、まだまだウズベキスタンが未成熟な経済体制を敷いていることがわかる。こうしたことが事実であるかどうかを、ウズベキスタンに訪問した際には確認してきたいと思う。 (文責:文科二類2年 西田夏海)

祝日に見るウズベキスタン文化

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ウズベキスタンで行うプレゼンテーションの準備をみなさん各自進めているであろう。そのなかでも私は日本の文化・慣習・行事などを春・夏・秋・冬の四季にわけて紹介するグループに所属している。 日本の行事についていろいろと調べているなかで、ふと日本の「祝日」が日本の文化を象徴的に表していることに気付いた。祝日をみると、建国や独立といった国の歴史的事件やその国で大きな意義を持つ宗教的慣習が如実にわかる。 ということは、ウズベキスタンの祝日とその祝日が祝日たる由縁を調査すればウズベキスタンの文化やウズベキスタンの人々が重要視している行事について少しは理解が深まるのではないか。そう考えさっそくウズベキスタンの祝日について少し調査を試みた。 ますは、ウズベキスタンの祝日と比較しやすいように参考までに日本の「国民の祝日」を以下に記す。 1月1日 :元日 年のはじめを祝う。 1月の第2月曜日:成人の日 おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。 2月11日:建国記念の日    建国をしのび、国を愛する心を養う。 3月下旬の春分日:春分の日    自然をたたえ、生物をいつくしむ。 4月29日:昭和の日 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。 5月3日:憲法記念日 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。 5月4日 :みどりの日 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。 5月5日:こどもの日      こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。 7月の第3月曜日:海の日   海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。 9月の第3月曜日 :敬老の日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。 9月下旬の秋分日:秋分の日     祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。 10月の第2月曜日:体育の日     スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。 11月3日:文化の日     自由と平和を愛し、文化をすすめる。 11月23日:勤労感謝の日 勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。 12月23日:天皇誕生日    天皇の誕生日を祝う。 (内閣府HP「「国民の祝日」について」より) 次に、ウズベキスタンで祝日とされているのは以下である。 1月1日 : 新年 Новый год 3月8日 :女性の日 День женщин 3月21日 :ナウルーズ Навруз 5月9日 : 戦没者慰霊の日 День памяти и почестей 8月30日 : ルザ・ハイート(断食明け大祭) Руза хайит 9月1日 : 独立記念日 День независимости 10月1日 :教師の日 День учителя и наставника 11月6日 : クルバン・ハイート(犠牲祭)Курбан хайит 12月8日 :憲法記念日 День Конституции (JETRO日本貿易振興機構HP「海外ビジネス情報 ウズベキスタン 祝祭日より」) 上記の日付は2011年のデータであり、春分の日にあたるナウルーズやラマダーン終了日に行われるルザ・ハイートは年によって日付が変わることもある。 1月1日に新年を祝うことや、春分の日を祝うこと、憲法記念日を祝うことなどは日本との共通点であろう。ただし、日本の場合には各行事のなかでも新年の行事に重きが置かれるのに対して、ウズベキスタンで重要視されるのは春分の日ナウルーズである。ナウルーズはペルシア語で「新しい日」という意味で、中央アジアからアフリカに至る広い地域で祝われている。ウズベキスタンでは3000年以上もの伝統をもつ行事であるようだ。長い冬を耐えて乗り越えて、やっと暖かくなり木々も目覚め始めるこの時期は農業的にも重要な意味を持ち、各地で音楽や舞踊のイベントが開かれるなど盛大に行事が行われる。家庭でも親戚中が集まって伝統料理の「スマラク」を作って食べる。 ほかにもラマダーン明けのお祭りであるルザ・ハイートや犠牲祭であるクルバン・ハイートはウズベキスタンの「イスラム教」的側面が強く感じられる祝日である。こうしたイスラム祭のときにはお祈りのあとに施しをあげたりもらったりする習慣があるようで、こうしら「施し」の文化に日本との違いを強烈に感じた。 興味深いのが、「女性の日」が存在することである。「女性の日」は国際婦人デーとも呼ばれ、女性のための祝日である。「女性の日」には男性が女性になにかプレゼントを贈る習慣がある。プレゼントはたいてい花であることが多い。日本でも、女性が男性にプレゼント、たいていはチョコレートを贈る行事、バレンタインデーが存在しており、少し似ている。ただしバレンタインデーは女性が好きな男性に自分の気持ちを伝えるという側面があるが、ウズベキスタンの女性の日もそういう側面があるのであろうか。とにもかくにも、この日は一年で一番花が売れるため、街の中心部のバザールには花屋の露店が立ち並ぶ。花の需要が多いため、商売の原則通り花の値段も高騰する。もし知り合いの女性みんなに花を贈るとしたら、男性は出費に頭を悩ます一日になりそうだ。 今回ウズベキスタンを訪問する祭は祝日を経験することはできないが、今度ウズベキスタンを訪れる機会があれば、祝日を経験しウズベキスタンの人々とともに祝日を祝ってウズベキスタンの文化に触れたい。 文科二類2年 斉藤江里