後編になります。
「ナン」「チャイ」
続いて、「ナン」です。
(左:ウズベキスタンのナン 右:インド料理で有名なナン)
「ナンなら知ってるよ〜」という方も多いのではないでしょうか。インド料理で食べたことあるから知っているという方、ウズベキスタンのナンは都内インドカレー店で出てくるお馴染みの「ナン」とは少し異なります。丸く焼かれたものが多く、乾燥地域のため、保存食としても用いられています。湿気の多い日本で放置していたらすぐにカビてしまいますね。少し蛇足になりますが、ウズベキスタンは乾燥した気候を生かして、ナン他、ドライフルーツなどの保存食が親しまれています。メロンのドライフルーツなどが有名なようで、実際授で食べてみましたが、噛んでいるとじわじわとメロンの味がしみ出てきます。ナンに戻ります。外観の特徴としてウズベキスタン東部は分厚く見た目も綺麗なナンが多いのですが、西に行くに連れて、薄く平になっていきます。サマルカンド地方のナンがおいしいと言われています。プロフと同じく、地方ごとの違いが楽しめる料理ですね。
最後に「チャイ」です。
日本のインド料理ブームによって、「チャイ」についても相当有名になっているのではないでしょうか。チャイ=お茶 という認識で大丈夫です。油っぽい料理が多いウズベキスタン料理ですが、そんな食事に必ずといって言いほどついてくるのがこの「チャイ」です。急須にお茶碗という日本らしい食器が一般的です。食事の際にはブラック(紅茶に近い)かグリーン(緑茶に近い)から選べる事が多い。インド料理などで出てくるチャイのようにミルクが入ったというものではなく、
福井の食文化についての報告は以上になります。
文献が非常に少なく(学術論文についてはさらなりですが)、現地でのリサーリが大変楽しみです。
以下、所感です。
ほとんどの日本人が「ウズベキスタン?どこそれ?」というのが現状だと思います。実際自分自身もこの授業を取る以前はあまり中央アジアに対する知識はありませんでした。授業では食文化を中心に(間下君と二人だけで…)調べてきましたが、印象としては、思っていた以上に日本に近い部分を持つ国だということです。きっと中国に近いと言った方が適切なのでしょうが。うどん(ラグマン)にチャーハン(プロフ)、緑茶(チャイ)に串焼き(シャシリク)など、日本人に馴染みやすい料理が多いようです。けれども、経済的、人的交流は非常に乏しい。比較的近い場所にあるトルコに行ってきたという人は多いですが、ウズベキスタンに行ってきたという人はあまり見かけません。ウズベキスタンはウランや石油など資源が豊富です。話によると、ウズベキスタンには中国、韓国の人が非常に多いようです。けれども日本人は非常に少ない。アフリカなどの資源のある国でも同じような現象が起きてるのは、有名ですね。単純に同様な状態であると決める事はできないでしょうが、ウズベキスタンと日本の関係を見る事は「日本の外交」を再考する一つのアプローチに成り得るのではないでしょうか。今回の研修では、ウズベキスタンと日本の関係強化についてまず考え、そこから更に一般化できる何かを考えることができたら有意義なものになるのではないかと考えています。余談になりますが、ここ一週間ほど沖縄に旅行に行っていました。勿論、同じ日本人なのですが、気質も、食文化も東京と大きなギャップを感じました。特に食に関しては、山羊、イルカ肉、豚足、海蛇、油みそなど、食べ慣れないものに多く出会いました(イルカを除いて非常に美味しかったです)。ウズベキスタンは陸続きなので、日本ほど地方ごとの差異があるとは思えませんが、上でも書いたように、こうした同国内での食文化(にとどまらずできれば様々な文化)の差異には是非とも注目していきたいと思っています。
文責 文科二類二年 福井康介