以下は、全学自由研究ゼミナール「学生がつくる大学の授業」のTAによる感想です。授業の概要の詳細はこちらをご覧ください。
第5回~第6回 ミニレクチャ
第5回、第6回は反転授業を作るための授業コンテンツを、平岡秀一先生(理系)、田村隆先生(文系)にご提供いただきました。理系は化学反応に関する内容、文系は古典に関する内容です。30分間のミニレクチャを先生からご提供いただいた後、各グループに分かれて、ミニレクチャの内容の理解に努めました。
第7回以降の授業では、受講生が2つのグループ(理系チーム、文系チーム)に分かれて、反転授業の制作と実施の準備に取り掛かります。さまざまな授業展開が考えられそうな内容ですので、どんな反転授業ができるのかがとても楽しみです!
第7回~第10回 反転授業のコンテンツ制作と実施準備
第7回以降は、いよいよ反転授業のコンテンツ制作です。ここからは私は理系チームにはりつき、授業づくりのサポートを行いました。第7回〜第10回の授業では、105分間のほぼすべての時間を反転授業制作・改善のためのディスカッションに充てました。105分間をディスカッションに使うという授業体験は私にとって初めてで、とても新鮮な体験でした。
上述の通り、理系チームの反転授業の内容は化学反応(エステル化と加水分解)を題材としたものであり、平衡や反応機構、構造の理論といったさまざまな観点から授業をつくることが可能でした。チーム内の学生が自分の考える授業デザインの意見を出し合い、ときには激しくぶつかり、ときには意見を磨り合わせながら、少しずつ授業の全体像と詳細が決まっていきました。
今回の反転授業の作成・実施に臨むにあたり、ある学生は、30分の授業のたった1つの平衡反応を理解するために、何時間もその内容を勉強したとのことでした。その学生は「対面授業で学生のリアクションに対して正しく返答できないと学生の授業の満足度が下がってしまう。したがって、1のことを教えるためにはその背景に潜む10のことを知っておく必要がある」と言っていました。理系チームにいた学生は皆同様のことを実感してくれた様子で、こういった反転授業の制作とブラッシュアップのプロセスを通じて、1つの授業をつくることの難しさ・大変さを痛感していたようです。
さて、いよいよ第11回・第12回は反転授業の実施です。学生のみなさんはさまざまな不安を抱えている様子でしたが、ぜひとも楽しんで当日の対面授業に取り組んでもらえたらと思います!ここまで準備してきた学生の努力が実を結ぶように祈っています。
(薬学系研究科博士課程 木崎速人)
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以下は、全学自由研究ゼミナール「学生がつくる大学の授業」のTAによる感想です。授業の概要の詳細はこちらをご覧ください。
はじめに
「学生がつくる大学の授業―反転授業をデザインしよう!」は、東京大学教養学部所属の学部1・2年生向けに開講されている授業です。この授業は、参加した学生が自ら反転授業を作成・実施することを大きな目的としています。どのように授業が展開していくのかにワクワクしながら、私は TA としてこの授業に参加しました。今回集まった6名の学生は、教員・TAの助けを借りながら、実際に反転授業をデザインし、実施することを目指します。
第1回~第4回 反転授業をつくるための準備
第1回から第4回では、「反転授業とは何か」を学ぶことからスタートし、反転授業をつくる上で必須となる授業デザインの手法やアクティブラーニング手法の基礎知識を修得することが主なテーマでした。第2回では実際に反転授業を経験することにより、より良い反転授業とは何かを考えました。
本授業の大きな特徴は、グループ単位での作業が多く取り入れた双方向型の授業であることです。大学の授業は教員→学生の一方向型の講義がほとんどで、このような形態の授業に戸惑う学生も一定数存在します。しかし、本コースに参加する学生は、このような双方向型の授業に臆することなく自分の意見を忌憚なく発信し、こういった授業に特有の学習体験を楽しんでもらえているように見受けられます。
第4回では、百人一首の理解を目的とした反転授業をつくるワークにチャレンジしました。既存の授業に対する不満や問題点を、授業を受ける側の視点から発信するのは比較的容易であっても、いざ反転授業を作成するとなると、実際に自分で授業をデザインすることに苦戦している学生が多いように見受けられました。授業をデザインする上での目的・目標の設定、構成、時間配分などは、実際に授業をつくる経験をしてみないとなかなか実感しづらい部分です。これから、実際に反転授業を作ることになりますが、その経験を通じて授業作成の面白さと難しさを体験してもらえたら嬉しいです。
授業分析のワークに取り組む学生(左)グループワークに取り組む学生(右)
次回の授業からは、実際に学生が作成する反転授業のコンテンツを2名の先生に提供していただき、これらのコンテンツを使った反転授業を2グループにわかれて作成します。学生は皆個性あふれるメンバーなので、どんな授業ができるのか今から楽しみです。そして、この反転授業の作成を通じて、学生がどのように成長していくのか、TAの立場から見守っていきたいと思います。
(薬学系研究科博士課程 木崎速人)
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