Central Asia walk
学校は公共施設の中でも大きな割合を占める身近な施設であるとともに、次世代を担う子どもたちの学習・生活の場でもあることから、そのエコ化を全国的に進めることにより、広く社会への波及効果が期待できます。本講義では、小・中・高等学校や大学などの学校施設のエコ化をどのように進めていくかについて、国や地方公共団体、大学等の取組を紹介しながら、皆様と議論をしたいと考えています。2002年に入省後、学校安全や耐震化、教科書検定・採択、国立大学施設の中長期計画の策定などの業務に携わる。2011年4月より現職で、学校施設のエコスクール化などを担当。 一級建築士。
Firstly, it is effective for decreasing CO2 emissions from schools. They consume much energy among public facilities. Second, it is important for spreading the environment-friendly idea. Schools are not only places for pupils to study but also familiar facilities to local people, so schools have a big influence on their attitudes. Lastly, it can lead to a disaster measures. Schools are regularly assigned as emergency evacuation centers. Thus, natural energy, which could be used on occasional blackouts, is important.
However, the budget for Eco-School Program is limited because of the severe financial condition these days and that limitation is a large obstacle to the project.
(Report by Saito)
今日、都市人口の増加とそれに伴う都市の貧困化は、世界規模で展開しています。われわれが住んでいる都市環境を持続させるためにはどうすればよいのか、本講義を通して考えていきましょう。1966年、東京生まれ。 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程(建築意匠)修了。博士(工学)。 専門は、建築設計学:都市建築意匠論・都市建築空間史・図学史。 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻客員研究員を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系情報図形科学部会(図形科学Iおよび図形科学IIを担当)。青山学院大学理工学部、芝浦工業大学工学部、東京電機大学理工学部、東京家政大学家政学部、日本大学生産工学部、国士舘大学21世紀アジア学部、国立東京工業高等専門学校情報工学科、兼任講師。 大学共同利用期間法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所研究メンバー。
Our team gathered information about Dr. Nao. He is specialized in architecture in the University of Tokyo, and these days he is engaged in urban design. He wrote a report named “Urbanism Projects of the 90’s.“In this report, he studied urbanization in Rome, Berlin, Paris, and so on. Reading this report, we realized that he valued both artistic design and sustainability.
He has given a message saying that today, the number of people living in cities is increasing and consequently the poverty would get worse in many parts of the world. He invited us to ponder how we can maintain the environment of the growing cities.
Urban designs which are caring the environment and historical scenery have become more successful in Europe than in Japan, so I would like to compare these several countries in Europe with Japan, and see the circumstances of the cities in the Netherlands, confirming whether the theories I’ve learned can be applied to the real issues in cities.
21KOMCEE(理想の教育棟)建設プロジェクトは、東京大学の先生方や職員の皆さん、そして私たち設計者を含め、多くの関係者による協働作業として進められました。21KOMCEE(理想の教育棟)の建築設計にあたっては、「アクティブ・ラーニング」「周辺環境との共存」「ゼロ・エネルギー・ビル」の3つをコンセプトとし、理想の教養教育の場にふさわしい空間デザインと環境技術のあり方を追求してきました。 ゼミ当日は、21KOMCEE(理想の教育棟)建設プロジェクトにおける思考と実現の軌跡を紹介し、それらを通して、人、環境、建築・都市計画の調和のあり方について、その一端をお話できればと思います。 現代社会は、地球環境危機と循環型社会への転換、災害への備え、経済危機への対応等、多くの課題を抱えています。建築・環境分野のみならず、あらゆる仕事において、これらの社会的課題に真摯に向き合い、答えを出していくことが求められます。そのためには、自然の摂理に学ぶこと、歴史や先人の経験に学ぶこと、そうした学び続ける姿勢がとても大事なのではないかと感じています。 皆さんとお会いできることを楽しみにしています!1962年 京都生まれ 1985年 東京芸術大学美術学部建築科卒業 1985年~類設計室、現在、東京設計室ディレクター
Mr. Masamichi Tamura is an architect of RUI SEKKEISHITSU Co., Ltd., who designed and supervised the construction of the 21 KOMCEE.
In order to design an ideal building for education, Mr. Tamura sought some hints in the history of universities. At the beginning, an institution for higher education was a place not only to learn, but also to live. At that time, learning and culture advanced dramatically by exchanging diverse ideas through the life in ashrams. The 21 KOMCEE is designed to be the environment like the root of higher educations.
The architectures also considered harmony of the 21 KOMCEE with other buildings in Komaba Campus. There are mainly 3 points to which the designers paid attention. First, it was designed to be a low building, and a basement was utilized in order to keep a good landscape of the campus. Second, the established position of the building was set to maintain the path of traffic in the campus. Third, the architectures and the constructors paid a lot of efforts to devise the shape and exterior in consideration for not cutting a large symbolic tree nearby the building but for harmonizing with it.
The leading-edge technology is applied to the 21 KOMCEE aiming at Zero Energy Building (ZEB). The air conditioning system using geothermal heat, lighting apparatus, double skin window system and more are controlled by the AI network which comprises the Building and Energy Management System (BEMS).
(Report by Kaneko)
地球の持続性を確保するためには、省エネルギーが不可欠です。 本講義では、大学における省エネルギーの試みを幅広く紹介します。1975年 東京大学工学部土木工学科卒 1981年 工学博士(東京大学) 1983年 横浜国立大学工学部土木工学科助教授 1992年 東京大学工学部土木工学科教授 1999年 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻教授 2006年から東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻教授として現在に至る 2009年4月から2011年3月まで副学長
すでに、ゴミ箱が設置されていました。
机をひとつひとつ組み立てています。建物の完成には、影ながら多くの人々が関わっています。お疲れ様です。
四角い机が、この教室の机になるようです。ゆったりとした机になっているようで、グループワークはもちろん、独りで座ることもできそうです。
上下に昇降する教卓が納入されています。どうやら、3つに分割できるようです。写真の奥の方では、ホワイトボードを組み立てている様子をみることができます。
作業が一段落したら、椅子がスタジオに納入されるようです。
オープンスペースアリーナ(002)から続く、天井までの高さが10メートルを超えるガラス張りのエントランスホールです。学生の滞在学習スペースとしても機能します。天井には石井リーサ明理さんによるオリジナルの照明「光湧」が設置され、屋上は緑化されます。
現在は、今月末の竣工披露式典の準備が進められていると聞いています。
(教養教育高度化機構 林)
大きなテーブルを取り囲むようにに、ゆったりと座ることができる椅子が4脚ずつ設置されています。ゆっくりとお茶を飲みながら談笑するのもよいでしょうし、コーヒーを飲みながら、PCを広げて作業することもできるでしょう。いろいろな出会いの場所と機能してくれることを期待したいです。
このカフェテリア KOMOREBIの特徴は、石井・リーサ・明理のデザインによる照明です。居心地の良いカフェテリアのために、特性デザインの「木漏れ日プレート」という照明が設置されています。
その照明デザインについては、広報チームの学生が石井さんにインタビューしていますので、そちらをお読み下さい。
石井・リーサ・明理氏、3. カフェテリア/夜の顔
カウンターには、生協のカフェが入店する予定と聞いています。レジやカフェの道具などが納入されており、準備が進められていました。
(教養教育高度化機構 林)
- 滞在型の学習空間を実現するために、学生の利用率が高いコミュニケーション・プラザとの空間的な連続性、意匠的な一体感を確保しています。
- キャンパスの景観を保全するために、低層建物としています。
- 省エネルギー・環境安全管理・緑化や樹木保存を含め、環境と安全に配慮します。
- キャンパス計画の軸線(道路軸)に従って配置しています。
- 容積率を確保するために、積極的に地下を利用しています。
- 最先端の教養教育を体現する先進的施設とします。
(教養教育高度化機構 林)
プロジェクターが2台設置されます。また、スクリーンは、通常のホワイトスクリーンよりも鮮やかなコントラストを生み出す「外光吸収構造」のスクリーンを採用しています。これまでのスクリーンよりも、照明などの環境光などを吸収し、鮮明な映像を見ることができます。プロジェクターの接続端子は、VGA端子に加えて、HDMI端子を追加しており、デジタル化に対応しています。
工事状況は、今週にレクチャーホールの工事が完了して、残りはスタジオ教室の什器納入を残すのみとなりました。
(教養教育高度化機構 林)
皆様こんにちは。
「中央アジア散歩」ゼミでは14日からのウズベキスタンでの現地研修を前に、一部のメンバーでオプショナルツアーを敢行中です。この旅程では、14日からの研修では行く機会の得られなかったヒヴァ・ブハラを訪ねることになっており、10日現在、誰もけがなどに苛まれることなく予定をこなしています。我々一同は9日にタシケントに入り、今日10日に国内線を利用してヒヴァ入りを果たしました。 ヒヴァはウズベキスタン西部に位置する古都であり、二重の防壁に囲まれたイチャン・カラと呼ばれる内城には宮殿やモスク、メドレセ(イスラームの神学校)などが多く立ち並んでいます。非常に狭い内城に中世の色をそのままとどめていることが評価され、「博物館都市」に指定されたほか、世界遺産にも登録されています。 今日は着いたばかりであまり多くの場所を廻ることはかないませんでした。しかしながら、先ほど述べたようにイチャン・カラ自体の面積は小さいため、少し城内を散策するだけでヒヴァがどのような空気を持つ場所なのかは理解できます。 イチャン・カラには今でもはっきりと立派な城壁が聳え立っており、かつての威光そのままに訪れる人を圧倒しています。城壁の内部は年季の入った土造りの建物が所狭しと重なるように建っており、路地を歩くとところどころで不意に荘厳なメドレセに出くわします。二本のミナレットが空を削るかのように高く聳え立っており、城内の至る所からその姿を拝むことができます。城内には時折鶏や犬の鳴き声が響き、観光客がさほど多くないことも相まって書き表せない空気を醸し出し、タイムスリップでもしたかのような気持ちにさせてくれる素敵な街です。夕方には熱さを嫌って外出を控えていた人達も次第に街に繰り出し始め、子供たちが畏れ多くも世界遺産の壁をゴールにサッカーをしています。 明日は城内を隈なくめぐり、報告をしたいと考えています。ネット環境は充実しておらず、定期的な報告ができるかは甚だ疑問ではありますが、可能な限り更新を続ける予定です。ではまた明日このブログでお会いしましょう。 文責:文科二類 藻谷
魅力的な講師陣が予定されています。
また、ヨーロッパへのフィールドワークも計画しています。
授業の詳細については、ZEBLOGの記事を参照して下さい!
(教養教育高度化機構 坂口)
サステイナビリティとは、人間の生活に伴う環境負荷の低減から、少子・高齢化社会の問題、生物多様性の保護、食糧問題など多様な分野にわたって、持続可能な社会実現に向けて必要な活動をさぐる学問のテーマです。
今年度は、「理想の教育棟」という駒場に新しくできたシンボリックな建物をテーマに、教育施設の設計から低環境負荷の実現や環境教育のあり方を考えていきます。
講義題目は「理想の教育棟」から世界標準のサステイナブルキャンパスを考える。
木曜5限(16:20-17:50)に、K303(21 KOMCEEスタジオ教室)で開講します。
ゼミナールでは、こうした問題に対し第一線で実務や研究に携わっておられる方々を講師としてお呼びします。
ただ講演をうかがうだけではなく、講師の方々が話題とされるテーマについて学生の側が自分たちで調べておくことで、疑問点を率直に投げかけ、活発な議論が進むことを期待しています。
講師陣の方々・予定されているトピックは以下のようです。
春休みに、1週間程度オランダへのフィールドワークを予定しています。 随行人数については人数制限をする可能性があります。参加者全体に対する人数制限は特に設けません。 参加者はゼミナールで得た知見を授業のウェブサイトや駒場祭での展示などを通じてプレゼンテーションすることが求められます。授業時間外の作業も必要になります。
Sustainability is a key word which integrates various academic fields tackling for the realization of sustainable society―the reduction of environmental burdens, how to respond to the declining birthrate and the aging society, conservation of biodiversity, solution to food problem, and so forth.
The aim of this seminar is to study strategies for realization of lowering environmental burdens and prospects of environmental education from the perspective of educational facility planning.
The 21 KOMCEE, the newly build symbolic structure in Komaba campus, will make a good theme for our study.
Therefore, we placed Study Worldwide Model of Sustainable Campus, Starting from the 21 KOMCEE on the agenda.
Fieldwork in the Netherlands for about a week is planned when this semester is over. There might be limitation of numbers for this fieldwork but not for the seminar itself.Students are required to give presentations about what you’ve learned through the seminar. For your presentation, our website or KOMABA Festival will offer the opportunities.

「ナンなら知ってるよ〜」という方も多いのではないでしょうか。インド料理で食べたことあるから知っているという方、ウズベキスタンのナンは都内インドカレー店で出てくるお馴染みの「ナン」とは少し異なります。丸く焼かれたものが多く、乾燥地域のため、保存食としても用いられています。湿気の多い日本で放置していたらすぐにカビてしまいますね。少し蛇足になりますが、ウズベキスタンは乾燥した気候を生かして、ナン他、ドライフルーツなどの保存食が親しまれています。メロンのドライフルーツなどが有名なようで、実際授で食べてみましたが、噛んでいるとじわじわとメロンの味がしみ出てきます。ナンに戻ります。外観の特徴としてウズベキスタン東部は分厚く見た目も綺麗なナンが多いのですが、西に行くに連れて、薄く平になっていきます。サマルカンド地方のナンがおいしいと言われています。プロフと同じく、地方ごとの違いが楽しめる料理ですね。
最後に「チャイ」です。
日本のインド料理ブームによって、「チャイ」についても相当有名になっているのではないでしょうか。チャイ=お茶 という認識で大丈夫です。油っぽい料理が多いウズベキスタン料理ですが、そんな食事に必ずといって言いほどついてくるのがこの「チャイ」です。急須にお茶碗という日本らしい食器が一般的です。食事の際にはブラック(紅茶に近い)かグリーン(緑茶に近い)から選べる事が多い。インド料理などで出てくるチャイのようにミルクが入ったというものではなく、
福井の食文化についての報告は以上になります。
文献が非常に少なく(学術論文についてはさらなりですが)、現地でのリサーリが大変楽しみです。
以下、所感です。
ほとんどの日本人が「ウズベキスタン?どこそれ?」というのが現状だと思います。実際自分自身もこの授業を取る以前はあまり中央アジアに対する知識はありませんでした。授業では食文化を中心に(間下君と二人だけで…)調べてきましたが、印象としては、思っていた以上に日本に近い部分を持つ国だということです。きっと中国に近いと言った方が適切なのでしょうが。うどん(ラグマン)にチャーハン(プロフ)、緑茶(チャイ)に串焼き(シャシリク)など、日本人に馴染みやすい料理が多いようです。けれども、経済的、人的交流は非常に乏しい。比較的近い場所にあるトルコに行ってきたという人は多いですが、ウズベキスタンに行ってきたという人はあまり見かけません。ウズベキスタンはウランや石油など資源が豊富です。話によると、ウズベキスタンには中国、韓国の人が非常に多いようです。けれども日本人は非常に少ない。アフリカなどの資源のある国でも同じような現象が起きてるのは、有名ですね。単純に同様な状態であると決める事はできないでしょうが、ウズベキスタンと日本の関係を見る事は「日本の外交」を再考する一つのアプローチに成り得るのではないでしょうか。今回の研修では、ウズベキスタンと日本の関係強化についてまず考え、そこから更に一般化できる何かを考えることができたら有意義なものになるのではないかと考えています。余談になりますが、ここ一週間ほど沖縄に旅行に行っていました。勿論、同じ日本人なのですが、気質も、食文化も東京と大きなギャップを感じました。特に食に関しては、山羊、イルカ肉、豚足、海蛇、油みそなど、食べ慣れないものに多く出会いました(イルカを除いて非常に美味しかったです)。ウズベキスタンは陸続きなので、日本ほど地方ごとの差異があるとは思えませんが、上でも書いたように、こうした同国内での食文化(にとどまらずできれば様々な文化)の差異には是非とも注目していきたいと思っています。
文責 文科二類二年 福井康介
「プロフ」は、お祝いの席などで出る米料理で「カザン」と呼ばれる特殊な鍋で作られます。「カザン」は家庭用の小さなものから、数百人用の大きなものまで様々な大きさのものがあります。「プロフ」で米料理っていえば、みなさんご存知、あの料理名に似てるなと思った方もいるのではないでしょうか。そう、「ピラフ」です。プロフもピラフも似たような料理で、トルコではピラフ、ウズベキスタンではプロフ、ウイグル地方ではポロなどと呼ばれるようです。調理方法としては、カザンにたっぷり綿花油を入れ、お米、羊肉、にんじん、たまねぎなどをじっくり炒めるという非常にシンプルなものです。地方によって、赤いにんじんを使う地域や、黄色のにんじんを使う地域、またその両方を使う地域などがあり、同じ料理であってもその見た目は微妙に異なります。地域による見た目の違いには、盛りつけ方も影響しています。具と米をチャーハンのように混ぜてしまう地方や、米の上に炒めた野菜を盛りつける地方など、プロフを食べているだけでもその地域地域の変化を楽しめるのではないかと思います。街中でプロフを食べる場合の注意点として、なるべくその日の早い時間帯に食べるということがあります。先ほど書いたように、プロフはたっぷり鍋に油を注いで作ります。ということは、午後になると、下の方にある油に浸かったようなプロフを食べることになり、日本食を食べ慣れている日本人には少々辛いものがあるようです。
続いては、ウズベキスタンに行った日本人に大人気の「ラグマン」です。
(左:ラグマン 右:日本の肉うどん)

先に書いた「プロフ」と違い、「ラグマン」とだけ聞くと、何のことやらさっぱり分からない方も多いのではないでしょうか。ラグマン(ラグメンと呼ばれることも)は、日本の肉うどんによく似た麺料理で、讃岐うどんのようなコシのある麺が特徴です。ここでも肉としては、羊肉が主に用いられます。見た目も味も日本人が抵抗を受けない仕上がりになっているのが人気の要因ではないしょうか。内地に行くと、どんぶりのようなお椀で汁に浸ったラグマンもあるため、さらに肉うどんに似た様相を呈してきます。詳しい調理方法や材料については、このブログの初期に書いた記事を参考にしていただければと思います。
文科二類二年 福井康介
実は、電力危機対策チームや21 KOMCEE(理想の教育棟)のZero Energy Buildingへの取り組みに限らず、キャンパスの環境対策に関する部署は東大内のあちこちに存在しています。
21 KOMCEEで、電力消費をモニタリングする人工知能システムをはじめさまざまなZEB施設の設置にかかわってきた生産技術研究所野城研究室の技術が、上記の東京大学全体における電力使用モニタリングにも活かされています。野城智也先生は東京大学生産技術研究所の所長を務めていらっしゃいます。
また、21 KOMCEEの建設計画を立てられた前東京大学総長・小宮山宏先生(現三菱総研理事長)は日本でのサステイナビリティ学創設・普及に取り組んで来られました。
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サステイナビリティは特定の組織や大学のみの努力で達成できるものではありません。IR3Sは国内外の複数の大学の研究拠点や協力機関により構成されています。機構長は東京大学総長です。設立の経緯に関しては『サステイナビリティ学への挑戦』をご覧下さい。 |
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IR3Sの一員である、東京大学におけるサステイナビリティ研究拠点がTIGSです。 |
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「人間地球圏の存続を求める大学間国際学術協力 東京大学AGS推進室」は、東京大学と海外の大学の研究拠点をむすぶ国際連携活動の中心組織です。 |
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AGSから派生し、学生の教育プログラムとして東大が中心となって続けている国際交流活動です。 |
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環境三四郎では、例年前期学部生向けの主題科目講義(テーマ講義)である「環境の世紀」を企画しています。最新の情報に関しましては環境三四郎のウェブサイトをご覧下さい。 |
(教養教育高度化機構 坂口)
こちらは、博報堂が東京大学と連携して行う商品やブランドなどの新しい価値を発想・構想する特別プログラム「ブランドデザインスタジオ」です。
参加を希望する方は、9月27日(火)と10月3日(月)に駒場17号館のKALSで説明会が開かれますので、忘れずに参加して下さいね!
(教養教育高度化機構 坂口)
シルクロードを中心として東西交流が盛んになり、後のティムール帝国によってサマルカンドをはじめとする中央アジアは繁栄を極めた。それらの交流を受けて作られた新たな文化は後の世界の文化的発展に大きく寄与したと言えるだろう。またモンゴルとトルコ、イスラムにイランという異なる様々な文化を混合することに成功した中央アジアという地の特殊性に私は非常に興味を持った。今回自らの足で直接中央アジアの地を踏みしめるに至っては、ティムールが夢見て実現した「青の都」に身を置きつつ、かつての豊かな文化交流に思いを馳せ、少しでもそれを肌で感じることができればと思っている次第である。
<参考文献>
・草原とオアシスの人々(人間の世界歴史) 護 雅夫・遊牧国家の誕生 (世界史リブレット) 林 俊夫
・西アジア史2 イラン・トルコ 新版世界各国史・モンゴル帝国と長いそのあと 興亡の世界史 杉山 正明
二年文科一類 内藤めい
続いて中央アジアのモンゴル=テュルク系軍事指導者であるティムールの存在でいよいよ交流は最盛期を迎える。特にその文化交流の要衝としてサマルカンドが栄えるようになった。サマルカンドは13世紀にモンゴル軍の侵攻によって一時廃墟と化していたが、ティムールによって再建された。彼はチンギス=ハンと何かと比較されることが多いが、チンギスに対して文化を重要視していた。彼はどこにもない美しい都市を目指し、各地の遠征先からすぐれた技術者や芸術家たちを連れて帰った。サマルカンドには中国の陶磁器とペルシアの顔料が出会って誕生した「サマルカンドブルー」とよばれる「青の都」が誕生した。モンゴルという精神的基盤にトルコという民族的基盤、そしてイスラム宗教に対する信仰に基づき、支配したイランの文化を吸収し、この地にティムール朝文化が花開いたのだった。
補足的にこの後のサマルカンドの歴史を概観しておくと、14~15世紀にティムール帝国の首都となった後諸王国がサマルカンドを巡って争奪を繰り返すようになった。(これには後のムガル帝国の始祖となったバーブルも参加している。)そして1500年にシャイバーニー長のジョチ・ウルス系のウズベク系が征服して戦乱を収めた。しかし18世紀中ごろにウズベク諸政権内部の対立や諸部族の抗争、アフシャ―ル朝(イラン)の侵攻をうけて荒廃してしまった。続く1868年ロシア軍による占拠をうけロシア領トルキスタンに編入。元来よりイラン系ペルシア人が多かったがソビエト連邦によって1924年ウズベク・ソビエト社会主義共和国の首都となった。このようにティムール朝で繁栄を極め文化交流が盛んに行われていたサマルカンドは15世紀以降騒乱が続きその求心力が失われてしまったことはとても残念である。
二年文科一類 内藤めい

施釉レンガは表面の一面だけに釉薬を塗ったもので、素早く仕上げることができるように効率化を図っていると考えられている。なぜだろうか。それはティムール時代の建築ラッシュが影響しているようだ。多くのモスクを建築するためにも、効率性を向上させなければならない。
この模様は中国の唐草模様がとても影響していると思われる。ウズベキスタンがシルクロードの中継都市であることが顕著に表れていることがここからよく分かる。レンガやタイルを見ただけも、ウズベキスタンが西洋と東洋の結節点であることを我々は知ることができる。
このように青色のレンガ・タイルを検証するとどうだろうか。すると、単なる建築材料一つの中にもウズベキスタンの歴史が煌めいていることが見えるのではないだろうか。どんな時代を建築が生きてきたのか、建築材料から発見できるならば、建築全体を見るとどうだろうか。
時代が与える影響を中心とした建築全体の変遷に関して次に記す。
上記にもあるが、ティムール朝の時に建築の黄金時代を迎えている。そして、16世紀以降、喜望峰の発見によりシルクロードの隊商貿易は停滞してしまうのだが、それに左右されず美しい建築遺構が依然として築かれる。特徴としては、きわめて派手な装飾が見受けられるようだ。これはまだウズベキスタンが威厳を持っていることを示すためなのだろうか。しかし、18世紀以降の建築はどういう訳か創造性を喪失してしまい、建築史において衰退を迎えることになるのである。そのため、あまり評価を受けない建築が多いという。
様々な時代を生き抜く建築。その時代の影響は材料一つにも表出していて、また建築史を眺めると、建築というものが文化と歴史を同時に孕み、後世に伝えていく重要なものであることが分かるだろう。
参考文献:
辻孝二郎 2010 イスラーム建築の華 (INAX REPORT no.182 p50-51) http://inaxreport.info/data/IR182/IR182_p50-51.pdf
石井 昭 1969 中央アジアのイスラーム建築 (東洋建築史の展望) 建築雑誌 84(1005) p45-54 社団法人日本建築学会
文責:文科三類 西藤憲佑
この写真はウズベキスタン大使館を訪問した際にいただいた資料の一つである。実は中央アジアに関するフリーペーパーマガジンなるものが存在し、大使館や中央アジア関連のイベントなどで配布しているらしい。その名も「SILKROAD Walker」で、今回いただいた2010年版のものはウズベキスタン特集である。表紙は上で紹介したヒヴァのカリタ・ミナル・ミナレットである。SILKROAD Walkerにはウズベキスタンの地理・歴史から我々中央アジアゼミが回る4都市のホテルやレストラン情報に至るまで、かなり細かい観光情報が記載されている。最後にはウズベク語とロシア語の挨拶と基本表現も載っており、もはやガイドブックである。しかも前頁がカラー印刷で、読みやすい。今まで書店で手に取った中央アジアに関する観光ガイドよりも詳しいのではないかと思うほどだ。ここまで力の入ったフリーペーパーが存在するのにほとんど知られていないは残念なことだと思った。私も大使館で各都市の地図とともにこれを手渡されて「こんなものがあったのか」と驚いてしまった。
外国にとっては「シルクロード」という言葉の響きだけで魅力がある。そして実際ウズベキスタンには多くの遺跡と豊かな文化があり、このような資料を配るほどの努力がなされている。それにも関わらず観光大国となっていないのはなぜだろうか。ここまで調べてきたこと、聞いてきたことを踏まえて個人的に感じた一番の原因は情報不足である。確かに「シルクロード」「オアシス都市」などと聞くと神秘的なイメージがあるが、「中央アジア」「ウズベキスタン」などの言葉とは若干ずれがあるように感じる。より積極的にPRをしていくことがウズベキスタンの観光産業において重要なのではないだろうか。この点についても、現地で実際に観光、学生と議論していくことで探っていきたい。
参考:
ウズベキスタン航空・観光情報 http://www.uzbekistan-airways.co.jp/khiva.html
Lonely Planet “Khiva Information and Travel Guide” http://www.lonelyplanet.com/uzbekistan/khorezm/khiva
SILKROAD Walker 2010年号
文責:文科二類2年 末松